これら2国が「問題」としているのは、A級戦犯が合祀されている宗教施設に首相が公式参拝することである、と要約することもできる。
近隣3国のうち、中国に関しては、靖国神社問題は特殊である。中国では20世紀末期から21世紀初頭にかけて脱社会主義化が進んできており、中国共産党も同時に求心力を失うことを懸念していた。そのため日本を敵視することで支配の正統性を確保し、政権を維持しようとしているという指摘がある。すなわち、中国政府は靖国神社問題を政治的プロパガンダとして利用しているという解釈である。この意味において、日本国首相が靖国神社参拝をやめないことは、中国政府にとっては好都合であるという見方もできる。他方、日本にとって、一見すると靖国参拝は外交上意味のあることではないように思えるが、「日米同盟」と中国という構図があることを考えると、実は靖国神社参拝はアメリカを意識した外交であるということに注意すべきであろう。中国にとっては日米同盟が強固なものとなるのはあまり面白くないはずであり、その意味からすると靖国参拝をやめよという中国の主張はなんら政治的裏の無い言葉のように思える。このように、靖国問題は中国政府にとってメリット、デメリットをもたらすものであり、また日本にとってもアメリカとの外交上中国を牽制することが必要であるという政治的な難しい問題を内包しており、単純に解決は難しい問題である。
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しかしながら、サンフランシスコ講和条約第25条によれば、「…第21条の規定を留保して、この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国に対しても、いかなる権利、権限又は利益を与えるものではない。…」と定め、その第21条には、「この条約の第25条の規定にかかわらず、中国は、第10条及び第14条 (a) 2 の利益を受ける権利を有し、朝鮮は、この条約の第2条、第4条、第9条及び第12条の利益を受ける権利を有する。」とある。
日本や韓国は法治国家なので感情論で法を曲げることは本来許されないが、靖国神社について超法規的処置を中国や韓国から求められ続けている(靖国神社の「戦犯」分祀・廃社など)。
また中国、韓国では、靖国神社付属の博物館「遊就館」の展示内容と説明が軍国主義の名残であるとして問題視する意見もある。